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【海外旅行】SIMカード・eSIM・ポケットWi-Fiどれがいい?11項目で特徴や違いを比較!

スマホを海外で使うために必要になってくるのが、SIMカード、eSIM、ポケットWi-Fiといった通信手段。
聞いたことはあっても、結局どれが自分に合うのか迷ってしまうことはないでしょうか?
そこで、この記事では旅行会社に7年勤めた私が実体験を踏まえながら、
の特徴や違いなどをわかりやすく説明します。
それぞれ「どんな人におすすめなのか?」についてもまとめましたので、目的や状況にあわせて、最適な選択の手助けになれば幸いです。
海外旅行ではSIMカード・eSIM・ポケットWi-Fiどれがいい?

結論、海外旅行では、なくす心配がないeSIMがおすすめです。
海外旅行は何かと荷物が多いので、なるべく身軽に観光したいですよね。
そんなとき、eSIMはスマホ内蔵型なので機器の持ち運びが不要です。
スマホさえ失くさなければ、他のSIMカードやポケットWi-Fiのように紛失する心配もありません。
そんな便利なeSIMは、SIMカード・ポケットWi-Fiと何が違うのか、それぞれの特徴と合わせて以下で詳しく説明していきます。
SIMカードってなに?
SIMカードとは、インターネット通信・通話を利用するために必要なICチップのことです。
このICチップの中に、購入者情報が入っており、電話番号と結びつけることでインターネット通信や、通話ができるという仕組みです。
ちなみに、SIMとは「Subscriber Identity Module」 の頭文字をとっています。
それぞれこのような意味の単語です。
- Subscriber(加入者)
- Identity(身元、識別)
- Module(まとまった機能をもつ部品)
日本語だと「加入者を識別する部品」という意味になります。
特徴
SIMカードは、その名の通り現物があります。
薄くてとても小さいのと、スマホに差し込んで使用するので邪魔にもなりません。
利用するときは、旅行先でスマホにSIMカードをセットし、利用できるようになるまで待つだけ。
早ければ5分も経たないうちに、日本と同じようにスマホが使えます。
ただし、現物があるからこその欠点があります。
- 失くす可能性が高いこと
- 使用前に落としたり、傷をつけて破損してしまうこと
一番小さなnanoサイズのSIMカードは、小指の爪ぐらいの大きさです。
失くしたことに気づかないくらい小さいため、ポロっと落としてどこに行ったかわからなくなることもしばしば。
さらに日本で使用していたSIMカードも、差し替えするときに失くしがち。
市販のSIMカードケースや、お財布の内側など保管場所を必ず決めておきましょう。
またSIMカードを落としたり、不意な衝撃で傷がついて使えなくなったり、濡らしてしまったりするので注意してくださいね。
現物があるほうが安心感がありますが、慎重に扱いましょう。
こんな人におすすめ!
- 手元に現物があった方が安心できる
- バッグに入れていても邪魔にならない
- 到着後、SIMカードをスマホに差し込むだけで利用可能
eSIMってなに?
「Embedded SIM」を略して、eSIMです。
Embeddedとは「組み込まれた」という意味で、言葉のとおり、スマホ自体にインターネット通信・通話を利用するために必要な情報が内蔵されています。
現物があるSIMカードに対し、eSIMはスマホに組み込まれているため現物がありません。
本体と一体化しています。
特徴
eSIMは内蔵型のため、現物がありません。
荷物にかさばることもなく、スマホ本体さえ失くさなければ「SIMがなくなった!」なんてことも無縁です。
さらに、現物がないため、破損して使えないということはそもそもありません。
使えなくなる事象としては、スマホ自体が故障してしまうことです。
SIMカードとの大きな違いは、現物があるかないか。
現物がないeSIMは、購入も設定も全てオンラインで完結します。
eSIMを利用するときは、スマホの設定から海外eSIMに切り替えるだけです。
設定方法については購入時の公式サイトなどに、画像付きで丁寧に設定方法が記載してあるので簡単に手続きができます。
ひとつ注意点があり、それはインターネット環境がないと設定できないこと。
そのため、インターネットに繋がった環境で設定を行いましょう。
旅行当日に空港で購入し、空港のWi-Fiを使ってその場でダウンロードもできますが
最終手段にしたほうが安心です。
というのも、以前私は当日購入したことがあるのですが、eSIMの設定に気をとられすぎてしまい、搭乗口に着いたのがぎりぎりになった苦い思い出があります。
搭乗時間に遅れていると名前をアナウンスされますが、その恥ずかしさよりも、飛行機内に入ったときの他の搭乗者からの視線が痛いんです。
みなさんは日本で事前に行ってくださいね。
海外旅行で使用するのにあまり欠点がないようなeSIMですが、あえて欠点をあげるなら、
- 初見だと設定がめんどうに思える
- 現物がないので開通できるまで不安になる
どちらも1回経験してしまえば解決します。
事前ダウンロードも、その後の開通設定も説明書に従って行えば問題ありません。
かさばらない、失くす不安がないeSIMはやはりとても便利です。
こんな人におすすめ!
- 身軽に海外に行きたい
- 事前準備が億劫ではない
- よく物を失くしてしまう
【関連】海外旅行におすすめのeSIM

ポケットWi-Fiってなに?

ポケットWi-Fiとは、ポケットサイズで持ち運びができる無線LANのことです。
4,5年前まではポケットWi-Fiが主流でしたが、SIMがでてきてからは利用者は減少傾向にあります。
特徴
海外でスマホと接続してから使用できるようになるまでいちばん早く開通でき、操作が単純で、扱いやすいのがポケットWi-Fiです。
ポケットWi-Fiの電源を入れ、パスワード入力をすればすぐ繋がります。
事前準備も必要ありません。
そんなポケットWi-Fiですが、利用するために荷物が多くなってしまうので、私はSIMカードやeSIMを利用することが多いです。
簡単操作で使いやすさを重視する方には、ポケットWi-Fiは強い味方になってくれるでしょう。
ポケットWi-Fiは充電式で動いているので、モバイルバッテリーも同時に必要になります。
バッグに入れる内容としては
- ポケットWi-Fi本体
- モバイルバッテリー
- Wi-Fiとバッテリーをつなぐ充電ケーブル
これが最低でも必要です。
旅行中のバッグ内には財布、スマホ、ガイドブックなどが入っているため、さらに荷物が増え重くもなります。
観光地をたくさん歩くなら、バッグの重さは無視できません。
こんな人におすすめ!
- 現物があったほうがいい
- 接続は早くて簡単にしたい
- 荷物が多くなっても大丈夫

海外旅行向けSIMカード・eSIM・ポケットWi-Fiを比較

SIMカード・eSIM・ポケットWi-Fiそれぞれの特徴を表にして比較してみました。
選択するときの参考にしてください。
SIMカード | eSIM | ポケットWi-Fi | |
---|---|---|---|
設定のしやすさ | 簡単 | 少しめんどう | 簡単 |
持ち運びやすさ | チップのみ | 持ち運びなし | ルーター必須 |
電話の使用 | 可 | 可 | 一部可 |
テザリング | 可 | 可 | 可 |
料金 | 安い | 安い | 高い |
接続後スマホが使えるまで | 最短数分 | 最短数分 | 接続でき次第即時 |
紛失した際の手続き | 停止措置を行う | – (内蔵のため紛失なし) | 警察に紛失届を提出書類を日本に持ち帰る ※弁済が必要 |
購入場所 | 空港、オンライン、店 | 空港、オンライン、店 | 空港、オンライン、店 |
申込期限 | なし | なし | あり ※会社によってない場合も |
対応機種範囲 | 広い | やや広い | 広い |
充電が必要か | 不要 | 不要 | 必要 |
以下では、それぞれの項目を補足します。
設定のしやすさ
SIMカード | ◯ (スマホに差し込むだけ) |
---|---|
eSIM | △ (切り替え設定が必要) |
ポケットWi-Fi | ◯ (接続してパスワード入力するだけ) |
- SIMカードは差し込むだけ
- eSIMは切り替えるだけ
- ポケットWi-Fiは接続してパスワード入力するだけ
というように、どれも設定は簡単。
しかし、SIMカードとeSIMは前提としてスマホ本体がSIMフリーか、SIMロック解除をしている必要があります。
さらに、eSIMは使用前に
- 通話やインターネット通信するために必要な情報を、事前ダウンロードをしておくこと
- 現地で海外eSIMに切り替えた後に少し操作が必要
設定方法はどの販売会社も、丁寧に説明が記載があることがほとんどですが、このような設定が人によっては煩わしく感じるかもしれません。
持ち運びやすさ
SIMカード | 〇 (大きいサイズでも財布に入る大きさ) |
---|---|
eSIM | ◎ (スマホ内蔵型のため現物がない) |
ポケットWi-Fi | △ (ポケットWi-Fi本体以外にも持ち運び要) |
SIMカード、eSIMは荷物になることはありません。
とても身軽です。
一方ポケットWi-Fiは、本体とバッテリーも必要なため意外と荷物も増え、重たくなります。
電話の使用
SIMカード | 〇 |
---|---|
eSIM | 〇 |
ポケットWi-Fi | △ (アプリを使った通話なら可) |
SIMカード、eSIMはデータのみを選ばない限り、電話番号もSIMに紐づいているので通話が可能です。
電話番号があれば、旅行先で予約したいお店があるときに使えて便利。
ポケットWi-Fiは通話はできないものの、アプリを使った通話(LINEやDiscordなど)は可能です。
紛失した際の手続き
SIMカード | 〇 (簡単) |
---|---|
eSIM | 〇 (簡単) |
ポケットWi-Fi | △ (やや面倒) |
紛失した場合、一番厄介なのはポケットWi-Fiです。
ポケットWi-Fiを紛失した場合
基本的にポケットWi-Fiはレンタルなので、帰国後は返却が必要。
万が一紛失した場合、ざっくりこのような流れになります。
- 地元の警察に行き、紛失届を提出
- 警察で手続きした書類を日本に持って帰り、レンタル会社に提出
- 商品代金を弁償(高くておおよそ15,000円ほど)
もちろん警察では、現地語で会話が必要なので時間もかかります。
「あんな大きいもの失くすことない」と思いがちですが、私が旅行会社で手配していたころ、意外とよくありました。
よくあるからこそ、ポケットWi-Fiを申し込むときは、補償パックを追加できます。
必要な方は補償をつけておくと安心ですね。
ポケットWi-Fiの紛失は、時間もお金も精神力も削られるので、取り扱いには十分注意しましょう。
SIMカードを紛失した場合
SIMカードを紛失した場合は、このようになります。
- 購入した会社に利用停止の連絡
- 必要であれば現地でSIMカードを再購入
買い切りなので旅行中に紛失した場合は、スマホはそのままインターネットに繋がずカメラ代わりにさせることもできます。
SIMカードは大切な個人情報が入ったICチップです。
抜き差しする際は、用心しましょう。
eSIMを紛失した場合
この記事で何度も伝えているように、eSIMには現物がありません。
eSIM紛失=スマホ本体の紛失になりますので、このような流れです。
- 遠隔操作でスマホを利用停止にする
- スマホに登録していたクレジットカードも悪用の危険があるため、一時停止
- (スマホが帰国まで見つからない場合)帰国後、スマホ本体購入
スマホ本体を海外でなくすと、手元に戻ってくる可能性は低いので注意しましょう。
テザリング
SIMカード | 〇 (利用可) |
---|---|
eSIM | 〇 (利用可) |
ポケットWi-Fi | 〇 (利用可) |
スマホの機種などによっても異なりますが、おおよそ5台までSIMカード、eSIM、ポケットWi-Fiともにテザリング可能です。
ただし、テザリングはバッテリー消耗が激しいため、すぐ電池がなくなります。
グループで旅行中にテザリングをするなら、2台までがおすすめ。
料金
同じ条件で料金を検索すると、SIMカード、eSIMはほとんど金額は変わりません。
ポケットWi-Fiは、SIMカード、eSIMに比べると高くなります。
(例)
韓国旅行/2泊3日/容量無制限タイプ
SIMカード | 1,800円 |
---|---|
eSIM | 1,800円 |
ポケットWi-Fi | 2,870円 |
ポケットWi-Fiは、他2つと比べるとおよそ1,000円もの差が出ます。
なるべく安く抑えたいなら、SIMカード、eSIMがいいですね。
接続後スマホが使えるまで
SIMカード | 〇 |
---|---|
eSIM | 〇 |
ポケットWi-Fi | ◎ |
一番速く使えるのは、ポケットWi-Fiです。
SIMカード、eSIMも問題なければ5分ほどで使えるのですが、旅行先の通信状況や、ご自身の端末状況によって30分以上かかることもあります。
もし接続しても、インターネットが使えない場合は再起動したり、時間を置いて再度試してみましょう。
購入場所
SIMカード | ◎ |
---|---|
eSIM | ◎ |
ポケットWi-Fi | ◎ |
SIMカード、eSIM、ポケットWi-Fiもどこででも購入できるようになりました。
- オンライン
- 空港にあるお店
- 旅行先のお店
地方の小さな街に行っても、意外と購入できるお店はあります。
ポケットWi-Fiは、事前予約が必要なことがほとんどなので忘れないようにしましょう。
ちなみに、私はポケットWi-Fiを予約していたのに、受け取り忘れたこともあります。
みなさんはそんなことないと思いますが、もし、私と同じようなうっかりさんがいたとしても安心してくださいね。
出国ゲートを通過していなければ、代理受取が可能です。
受け取り忘れていたら速やかにレンタル会社さんに連絡してみてください。
申込期限
SIMカード | なし (オンライン注文は到着日に注意) |
---|---|
eSIM | なし |
ポケットWi-Fi | 期限がある場合も (会社により期限がないところもある) |
ポケットWi-Fiは、前述したように事前予約が必要なことがほとんどです。
レンタル会社のサイトで期限を確認しましょう。
SIMカードとeSIMは、旅行当日でも販売店で購入することができるので、特に申込期限はありません。
SIMカードをオンラインで購入して自宅受取する場合、遅配することも視野に入れて余裕をもって注文しましょう!
また、SIMカード、eSIMには有効期限があります。
数か月前に購入したSIMが、当日有効期限切れだったにならないように、購入前に有効期限のチェックも忘れないようにしてください。
対応機種範囲
SIMカード | ◎ (ほとんど対応可) |
---|---|
eSIM | 〇 (2021年後半~ほとんど可) |
ポケットWi-Fi | ◎ (ほとんど対応可) |
SIMカード、ポケットWi-Fiはほとんどの機種が使用可能です。
eSIMは2021年後半以降に発売された機種は、ほとんど対応しています。
iPhoneだと、iPhoneXR/XS以降の機種はeSIMが使えます。
充電が必要か
SIMカード | ◎ (SIM自体の充電不要) |
---|---|
eSIM | ◎ (SIM自体の充電不要) |
ポケットWi-Fi | △ (充電必要) |
SIMカード、eSIMはスマホ本体の充電があれば問題ありません。
一方でポケットWi-Fiは、ポケットWi-Fi自体の充電が必要です。
充電の為のモバイルバッテリー、充電コードも持ち歩かなければなりません。
海外旅行向けの通信手段選びに迷ったらeSIMがおすすめ!

身軽で、紛失の恐れもなく安心、安く使用できるeSIMが海外旅行におすすめです!
eSIMをおすすめする理由をまとめてみました。
- スマホ内蔵型のため、なくしたり破損の心配がない
- 海外で使用するときはスマホの設定から切り替えるだけ
- ポケットWi-Fiに比べて料金もお得で申込期限もない
現物がなくても問題なければ、eSIMを使っておけば間違いありません。
もし迷っている場合は、ぜひeSIMを使ってみてください。
あなたにとって素敵な旅行になりますように。
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